チップからPIGへ
更新内容が大幅に変わってしまい、マリブチップからPIGへの変貌が綴れていませんでしたので、本日は少々その辺りの事を綴ってみたいと思っています。
マリブチップの誕生の経緯は以前綴った通りですが、そのマリブチップが如何にしてPIGへと結びついて行くのか?
PIGの誕生には様々な諸説がありますが、削った本人が既に他界してしまっている事から、最早、その誕生経緯も伝説と化している所もPIGの魅力だったりします。
サーフマガジンの誌面に目を通すと、レジェンド、グレッグ・ノールはベルジーとの酒の席で「チップのフィンを誤って上下逆さまに付けた」と証言しています。
確かに、言われればそんな気がしない筈もありません。
しかし、グレッグ・ノール同様にベルジーと親交のあったランス・カーソンの話では「ベルジーはそんな男ではない」、「彼はサーフィンを常に研究していて、その結果PIGが生まれた」とも言っています。
また、ベルジーはマリブチップの誕生にも大きく関わっていた事から、「マリブチップは直進性には長けているがマニューバは描けない」と、早い段階でマリブチップのデメリットにも気づいていたと言われています。
実際に、PIGが完成した日にパートナーであるジェイコブスはミッキー・ムニョスをライダーに指名している事からベルジーが本気で次世代のサーフボード(マニューバを描ける)を開発していたとの説が強いと思われます。
しかし、グレッグノールの話も真の話で、試行錯誤の中でヒントを得た事は紛れもないのではないでしょうか?
ベルジーがPIGを誕生させてからはカリフォルニアのビーチはPIG一色なって行き、その姿はノーズライダーがビーチを埋め尽くすまで続いたと言われています。
誕生から大凡10年でPIGは一つの役割を終え、ノーズライダーへとトレンドのバトンを託す訳ですが、PIG形状に最後まで拘ったのがベルジーの直系の愛弟子のデューイ・ウェーバーだと言われています。
次回の更新ではその辺りの事も少々触れみたいと思っています。
SURF A PIG